→新しい予測技法に合わせて作成物(アーティファクト)を修正しプログラム・マネジャーに提供する。
プロジェクト・マネジャーは、新しい予測技法を採用したのに予測の根拠となるデータを更新しませんでした。その結果、プロジェクト・マネジャーと新任のプログラム・マネジャーの間で予測に対する理解の齟齬が発生しました。プロジェクト・マネジャーは、新しい予測技法に合わせてプロジェクト作成物を修正した上でプログラム・マネジャーに提供すべきでした。そうすればプログラム・マネジャーは、正確かつ一貫性のある情報に基づきプロジェクトの状況を把握できたはずです。
その他の選択肢は誤りです。古い予測技法に戻したり、新しい予測技法の使い方を教えたり、プログラム・マネジャーの知識を確認しても、新しい予測技法を使うことによる齟齬を解消できるとは限りません。
理由
この問題の本質は、プロジェクト・マネジャーが予測手法を変更した際のコミュニケーション管理と整合性の欠如です。
PMが新しい予測技法(forecasting method)を導入した結果、
「プログラム・マネジャーの理解している基準」と「プロジェクト側の報告基準」にズレが生じました。
つまり、予測モデルや前提条件が変わったのに、それを上位レベル(プログラム)と同期していなかったのが問題です。
PMBOKの観点では、
- 「報告・予測情報を整合させる」ことは**統合マネジメント(Integration Management)とコミュニケーション・マネジメント(Communication Management)**の領域に該当します。
- 新しい予測技法を使う場合は、関連する作成物(アーティファクト:報告書、予測データ、指標の定義など)を更新し、ステークホルダーに共有する必要があります。
したがって、PMが取るべき行動は、
**「新しい予測技法に基づいてアーティファクトを修正・更新し、プログラム・マネジャーに提供する」**ことです。
これにより、プログラム・マネジャーは変更された前提を理解し、
正しい基準で進捗状況を判断できます。
❌ 他の選択肢の誤りの理由
「古い予測技法を使うようプログラム・マネジャーに求める。」
→ 権限の方向が逆です。
プログラム・マネジャーは上位職であり、PMが指示を出す立場ではありません。
また、古い技法に戻すことは改善・最適化の否定であり、根本的な解決にはなりません。
「新しい予測技法の使い方をプログラム・マネジャーに教える。」
→ プログラム・マネジャーに技法の教育をするのはPMの役割ではありません。
PMの責任は、情報を正確に伝えることであって、
上位層に教育を施すことではありません。
「プログラム・マネジャーが予測技法を理解するのに必要な知識があることを確認する。」
→ 一見、協調的に見えますが、責任の方向が誤っています。
PMがすべきは「相手の理解を確認する」ことよりも、
**自分の出す情報が正しく理解されるよう整備する(説明・文書化・整合性保持)**ことです。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験では、「情報のズレ・誤解・不整合」が発生した問題では、
以下の原則を覚えておくと正答を選びやすいです。
- 責任の所在を明確にする。
→ 情報発信者(PM)が、受信者が正しく理解できる形で情報を提供する責任を負う。 - 変更を加えたら、関連するアーティファクトを必ず更新する。
→ 新しい手法・基準・前提を使う場合、すべての関連文書・報告を整合させる。 - 上位層への説明・共有を怠らない。
→ 特にプログラム・マネジャーやスポンサーは「予測の根拠」をもとに判断するため、
透明性の確保が重要。
✅ まとめ
- 正答:新しい予測技法に合わせて作成物(アーティファクト)を修正しプログラム・マネジャーに提供する。
- 理由:予測手法を変えた結果、報告基準がずれたため、情報整合性を確保する必要がある。PMの責任はアーティファクトを最新に保ち、ステークホルダーと共有すること。
- 誤答理由:他の選択肢は責任の方向を誤っており、問題の根本である「情報の不整合」を是正できない。
- ワンポイント:「情報の不整合が起きた=アーティファクト更新漏れ」。アジャイルでも予測型でも、報告と実態を一致させることがPMの基本責務。
フルレングス試験2 (日本語) 45

コメント