★★世界中に分散しているアジャイル・プロジェクト・チームはバーチャルで会議をしています。全6回の最初のイテレーションの5回目のデイリー・ミーティングで、プロジェクト・マネジャーは消極的なメンバーがいることに気づきました。PMはどうすべきでしょうか?「メンバーに消極的な理由を尋ねる。」 「チームを指導してエンゲージメントを引き出しメンバー全員の参加を促す。」 「ミーティングに参加するよう各チーム・メンバーに個別に求める。」 「チーム自身に積極的に参加する方法を考えてもらう。」

→チームを指導してエンゲージメントを引き出しメンバー全員の参加を促す。

プロジェクト・マネジャーは、メンバーが参加できる環境を作る必要があります。

理由

アジャイル・プロジェクトでは、**チームの自己組織化(self-organization)心理的安全性(psychological safety)**が重要です。
特に分散(バーチャル)環境では、メンバー間の距離・文化差・時差により、
一部メンバーの発言が減り、参加意欲が低下することがよくあります。

プロジェクト・マネジャー(またはスクラムマスター)は、
単に「理由を聞く」「参加を求める」よりも、
チーム全体が協力しやすい雰囲気を醸成し、自然に全員が発言できる状態を作ることが役割です。

つまり、PMが取るべき行動は、

  • チームをコーチング・ファシリテーションし、
  • 発言を促しやすい形式(順番発言・匿名意見ツール・ラウンドロビン等)を導入し、
  • チームが自ら積極的に関与する環境を整えること。

これはPMBOK第7版の「People領域」およびアジャイル実務ガイドにおける
**“チーム・パフォーマンスの最適化”**と一致します。


❌ 他の選択肢の誤りの理由

「メンバーに消極的な理由を尋ねる。」

→ 一見積極的に見えますが、個人に焦点を当てすぎているため逆効果になりやすい。
 チーム全体の信頼関係が未熟な状態で理由を直接聞くと、
 当該メンバーが「責められている」と感じ、さらに沈黙を深める可能性があります。
 まずはチーム全体への働きかけが優先です。


「ミーティングに参加するよう各チーム・メンバーに個別に求める。」

→ これは**管理的(command & control)**な対応です。
 アジャイルでは強制ではなく、自発的な関与を引き出すことが重要。
 消極的な原因が心理的要因や文化的背景にある場合、
 個別に「参加せよ」と指示しても根本的な改善にはなりません。


「チーム自身に積極的に参加する方法を考えてもらう。」

→ チームの自己組織化を促す方向性としては良いですが、
 まだチームが成熟していない初期段階(イテレーション1の5回目)では時期尚早です。
 PMやスクラムマスターがまずリードして参加しやすい環境を整備
し、
 チームが自走できる状態になるまで支援する必要があります。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験では、アジャイルチームの課題に関する問題で以下を意識すると正答を導きやすいです。

  1. 個人を責めず、チーム全体の仕組みで対応する。
  2. 強制ではなく、促進(facilitation・coaching)で解決する。
  3. 成熟度に応じて支援スタイルを変える。
     - 初期:PMがリードして雰囲気を作る
     - 成熟後:チームが自発的に対応

この問題の時点では「まだ初期段階(イテレーション1)」なので、
PMが主体的に**チームを導く(guide / coach)**ことが最も適切です。


✅ まとめ

  • 正答:チームを指導してエンゲージメントを引き出しメンバー全員の参加を促す。
  • 理由:アジャイルの原則である「協働・透明性・自己組織化」を促進し、分散環境での心理的安全性を高める必要があるため。
  • 誤答理由:他の選択肢はいずれも「個人へのアプローチ」や「強制・放任」であり、チーム成熟度に適さない。
  • ワンポイント:アジャイルの人間関係課題では「指導・促進(coach/facilitate)」がキーワード。個人対応よりチーム全体への支援を優先。

フルレングス試験2 (日本語) 44

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