→チームを指導してエンゲージメントを引き出しメンバー全員の参加を促す。
プロジェクト・マネジャーは、メンバーが参加できる環境を作る必要があります。
理由
アジャイル・プロジェクトでは、**チームの自己組織化(self-organization)と心理的安全性(psychological safety)**が重要です。
特に分散(バーチャル)環境では、メンバー間の距離・文化差・時差により、
一部メンバーの発言が減り、参加意欲が低下することがよくあります。
プロジェクト・マネジャー(またはスクラムマスター)は、
単に「理由を聞く」「参加を求める」よりも、
チーム全体が協力しやすい雰囲気を醸成し、自然に全員が発言できる状態を作ることが役割です。
つまり、PMが取るべき行動は、
- チームをコーチング・ファシリテーションし、
- 発言を促しやすい形式(順番発言・匿名意見ツール・ラウンドロビン等)を導入し、
- チームが自ら積極的に関与する環境を整えること。
これはPMBOK第7版の「People領域」およびアジャイル実務ガイドにおける
**“チーム・パフォーマンスの最適化”**と一致します。
❌ 他の選択肢の誤りの理由
「メンバーに消極的な理由を尋ねる。」
→ 一見積極的に見えますが、個人に焦点を当てすぎているため逆効果になりやすい。
チーム全体の信頼関係が未熟な状態で理由を直接聞くと、
当該メンバーが「責められている」と感じ、さらに沈黙を深める可能性があります。
まずはチーム全体への働きかけが優先です。
「ミーティングに参加するよう各チーム・メンバーに個別に求める。」
→ これは**管理的(command & control)**な対応です。
アジャイルでは強制ではなく、自発的な関与を引き出すことが重要。
消極的な原因が心理的要因や文化的背景にある場合、
個別に「参加せよ」と指示しても根本的な改善にはなりません。
「チーム自身に積極的に参加する方法を考えてもらう。」
→ チームの自己組織化を促す方向性としては良いですが、
まだチームが成熟していない初期段階(イテレーション1の5回目)では時期尚早です。
PMやスクラムマスターがまずリードして参加しやすい環境を整備し、
チームが自走できる状態になるまで支援する必要があります。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験では、アジャイルチームの課題に関する問題で以下を意識すると正答を導きやすいです。
- 個人を責めず、チーム全体の仕組みで対応する。
- 強制ではなく、促進(facilitation・coaching)で解決する。
- 成熟度に応じて支援スタイルを変える。
- 初期:PMがリードして雰囲気を作る
- 成熟後:チームが自発的に対応
この問題の時点では「まだ初期段階(イテレーション1)」なので、
PMが主体的に**チームを導く(guide / coach)**ことが最も適切です。
✅ まとめ
- 正答:チームを指導してエンゲージメントを引き出しメンバー全員の参加を促す。
- 理由:アジャイルの原則である「協働・透明性・自己組織化」を促進し、分散環境での心理的安全性を高める必要があるため。
- 誤答理由:他の選択肢はいずれも「個人へのアプローチ」や「強制・放任」であり、チーム成熟度に適さない。
- ワンポイント:アジャイルの人間関係課題では「指導・促進(coach/facilitate)」がキーワード。個人対応よりチーム全体への支援を優先。
フルレングス試験2 (日本語) 44

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