→予算の予実分析を行う。
プロジェクトの実コストを予算と比較すれば、差異が生じている領域とコスト超過の原因を見つけることができます。原因が分かればプロジェクトを軌道修正するための対策を考えることができます。
文書の調査だけでは具体的な対応を提案するのは難しいでしょう。
傾向分析は長期にわたるプロジェクトのパフォーマンス変化を特定する上では有効かもしれませんが、コスト超過や組織目標との整合性が主な問題となっている場合に講じる処置としては、最も直接的に関連性があるとは言えません。
プロジェクトの経済的実現可能性を評価するのが誤りなのは、コスト超過への対処や組織目標との整合性の評価という目の前の問題よりも、プロジェクトの経済的実行可能性全体に注目することになるからです。
理由
経営陣は「企業目標との整合性を評価し報告する」よう求めていますが、
まず必要なのは「現状の事実を定量的に把握すること」です。
プロジェクト・マネジャーは、
- 当初予算(Planned Value)
- 実際に発生したコスト(Actual Cost)
を比較して、どの程度コスト超過や進捗遅延があるかを分析します。
この「予実分析(Planned vs Actual Analysis)」によって、
- プロジェクトが計画通りに遂行されているか
- 財務的にどの程度リスクがあるか
が明確になり、企業の経営判断(継続・中止・再計画)に必要な根拠データを提供できます。
つまり、「経営戦略との整合性評価」を行うための第一歩が予実分析なのです。
❌ 他の選択肢の誤りの理由
「実態を理解し有意義な情報を得るために文書の調査や評価を行う。」
→ ドキュメント・レビューは有用な情報収集手段ですが、
この問題では経営陣が求めているのは数値に基づく報告です。
定性的な文書調査では、財務的整合性を示すには不十分です。
「特定期間中のデータの変化を見てその傾向を明らかにする。」
→ これはトレンド分析に該当します。
将来予測や改善策検討に役立ちますが、
まず現時点の状況を正確に把握する予実分析が先です。
現状認識なしにトレンド分析を行うのは順序が逆です。
「実コストを経営陣が期待する利益と比較してプロジェクトの経済的実現可能性を評価する。」
→ 一見正しそうですが、これは経営判断段階の分析です。
経済的実現可能性の評価は経営層が意思決定を行う際に使う情報であり、
PMの最初の役割はその材料となる**実績データを提示すること(予実分析)**です。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験で「経営陣への報告」や「整合性評価」が出てきたら、
次の3ステップで考えると迷わず選べます。
- 現状把握(測定) → 予実分析・EVM分析
- 傾向把握(分析) → トレンド分析・予測
- 意思決定支援(評価) → ROI・NPVなど経済的評価
今回の設問は①の段階に当たるため、
最も適切なのは「予実分析を行う」です。
✅ まとめ
- 正答:予算の予実分析を行う。
- 理由:経営陣が意思決定を行う前に、現状を客観的に数値で把握する必要がある。
- 誤答理由:他の選択肢はいずれも時期尚早または定性的で、整合性評価の基礎データを得る目的に適していない。
- ワンポイント:「まず測る(現状把握)→次に分析→最後に判断」。この段階を混同しないことがPMP試験の鍵。
フルレングス試験2 (日本語) 39

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