複雑な大規模プロジェクトに参加しているベンダーが当初の予定以上の作業を行っています。タイム・アンド・マテリアル契約なのでプロジェクト遅延により予算は超過しており、契約の期限切れが間近です。「基本サービス契約に必要な追加作業に関する補遺を付けて再契約する。」「現在のベンダーと定額契約への移行交渉を試みる。」

→基本サービス契約に必要な追加作業に関する補遺を付けて再契約する。

タイム・アンド・マテリアル契約は、このプロジェクトには適していませんでした。プロジェクト・マネジャーは、委託する作業を必要に応じて柔軟に追加することができ、補遺の作成時に交渉の機会が得られるマスター・サービス契約へ移行すべきです。

大規模プロジェクトでは、成果物の一部には適応型アプローチを使用し、その他の部分にはより安定したアプローチを使用する場合があります。そのような場合には、マスター・サービス契約などの包括的な合意を契約全体に使用し、適応型の作業については付録や補遺に記載することがあります。そうすれば、契約全体に影響を与えることなく、変更は適応型のスコープで対応できます。

理由

この問題のポイントは、

「タイム・アンド・マテリアル(T&M)契約のもとで、作業が予定以上に進み、契約期限も近い」
という 契約マネジメント(Procurement Management) の実務的なケースです。

このような状況でPMが取るべき最も現実的で妥当な行動は、
現在の契約関係を維持したまま、追加作業範囲を正式に補足契約(補遺=addendum)として文書化・合意することです。


🧭 PMBOK / 契約管理の観点

PMBOK第7版およびPMIの「調達マネジメントの計画」プロセスでは、
契約変更の扱いについて次のように定義されています:

「契約の内容や条件を変更する場合は、正式な変更管理手続きを通して、補遺または修正版契約として締結しなければならない。」

つまり、期限切れや範囲拡大が生じた場合にまず行うべきは、

  • 契約書の正式な延長・修正(contract amendment or addendum)
  • 追加コスト・納期・成果物範囲を明確に合意
    です。

この方法なら、法的拘束力を維持しつつ、ベンダーとの協働を継続できます。


❌ 不正解:「現在のベンダーと定額契約への移行交渉を試みる」

一見、コスト抑制につながるように思えますが、以下の理由で不適切です。

  1. 契約形態の変更は交渉コストとリスクが非常に高い。
    プロジェクト終盤で契約タイプをT&Mから定額(Fixed Price)へ変えるのは非現実的です。
  2. 作業スコープが不安定な状況では、定額契約は適しない。
    定額契約はスコープが明確な場合にのみ効果的です。
    今回のように「追加作業が発生している」状況では、T&M契約の方が柔軟でリスクも分担しやすい。
  3. 今は「契約更新」が優先であり、再交渉は後のステップ。

💡 PMP試験での判断ポイント

  • 契約に関する問題が出たときの優先順位:
    1. 契約条件を遵守する(comply with contract terms)
    2. 変更が必要なら、正式な補遺・変更要求を行う(submit contract amendment/change request)
    3. 新契約・別契約は最後の手段

この流れに照らしても、今回の正解は「補遺による再契約」です。


🧩 まとめ

ベンダーが予定以上の作業を行い、T&M契約の期限が迫っている場合、
プロジェクト・マネジャーは基本サービス契約に必要な追加作業に関する補遺を付けて再契約する。

これは、契約遵守・コスト管理・リスク低減のすべての観点から最も適切な対応です。

フルレングス試験1 (日本語) 132

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