プロジェクト・マネジャーは、アジャイル・プロジェクトを担当しており、リスク登録簿には多くのリスクが登録されています。プロジェクトの重要な部分に取り組む現在のスプリントで、特定済みのリスクが発生してプロジェクトの開発が止まってしまいました。PMは、このリスクの発生を記録しましたが次に何をすべきでしょうか?「次回のレトロスペクティブにステークホルダーを招待してこの問題を報告する。」「コミュニケーションの頻度を上げ、ステークホルダーから問題解決に向けた支援を得る。」「コミュニケーション・マネジメント計画の責任をベテランのチーム・メンバーに割り当てる。」

→コミュニケーションの頻度を上げ、ステークホルダーから問題解決に向けた支援を得る。

問題発生時にはコミュニケーションの頻度を増やす必要があり、必要に応じてステークホルダーにも支援を要請します。次回のレトロスペクティブまで待っていては遅すぎます。開発を先送りしても発生したリスクが収束する保証はありません。

理由

この問題の本質は、「リスクが実際に発生(=問題に転化)し、プロジェクトが止まってしまった」という緊急事態への対応です。
PMBOKおよびアジャイル実務ガイドでは、リスクが顕在化した場合、
それは「課題(Issue)」として扱われ、即座に関係者と共有し、迅速に対応策を講じる
必要があります。

アジャイル環境では、チームが自律的に対応できるリスクも多いですが、
「重要な部分の開発が止まってしまうほどのリスク」は、
チーム内部だけでは解決できない**外部支援(ステークホルダー・スポンサーなど)**を必要とします。

したがって、PMが次に取るべき行動は、
コミュニケーションの頻度を高め、ステークホルダーに状況を報告し、支援・意思決定を得ることです。

これはアジャイルの「透明性(Transparency)」と「協働(Collaboration)」の原則に基づいた対応です。


他の選択肢が誤っている理由

  • 「次回のレトロスペクティブにステークホルダーを招待してこの問題を報告する」:
    レトロスペクティブはスプリント終了後の振り返りです。
    今回はすでに「開発が止まっている」という進行中の問題であり、
    スプリントが終わるまで待つのは遅すぎます。
    今すぐ対応が必要なため不適切です。
  • 「コミュニケーション・マネジメント計画の責任をベテランのチーム・メンバーに割り当てる」:
    これはプロジェクト全体の計画変更であり、現在のリスク発生に対する直接的な対応にはなりません。
    また、コミュニケーション責任を他者に丸投げするのはPMの職務放棄にあたります。

ワンポイントアドバイス

PMP試験でリスク問題が「発生した後」に関する設問が出たら、以下の順序を意識すると正解を導きやすいです。

  1. リスク発生を記録する(課題ログに登録)
  2. ステークホルダーに共有して対応策を検討する ←(今回の問題の段階)
  3. チームで対策を実行し、結果を記録する
  4. レトロスペクティブなどで教訓を共有する

つまり、今回は②のフェーズであり、「関係者と連携して即時対応」が求められます。


まとめ:

リスクが実際に発生して開発が止まった場合、
PMはコミュニケーションを強化し、ステークホルダーから支援を得ることが最優先。
これは「迅速な課題対応」と「透明性の確保」に基づくアジャイル的な正しい行動です。

フルレングス試験1 (日本語)18

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