→経験豊富なチーム・メンバーに規制順守の妥当性を確認する作業を割り当てる。
適用されるすべての規則を順守しているか確認する作業を、専門知識やリソースを持つチーム・メンバーに割り当てるべきでした。これは、当該自治体にプロジェクトを提出して承認を求める前にコンプライアンスを徹底するために役立つ事前対応的なアプローチです。チーム・メンバーの1人をこの作業に割り当てれば、メンバー間で作業量を分担させると同時に、必要な専門知識を持つ人物にコンプライアンスを担当させることができます。
プロダクト・オーナーにこの状況への対応を求めるのは最善の選択肢ではありません。なぜなら、プロダクト・オーナーはプロダクトのビジョンを定義してフィーチャーを優先順位付けする責任を負いますが、適用されるすべての規則の順守を徹底するために必要な専門知識やリソースを有しているとは限らないからです。
規制順守に対する責任をスクラム・マスターに一任するのも適切な解決策ではありません。スクラム・マスターはプロセスをファシリテートし、チームに対するコーチングを行い、チームの進捗を妨げる障害を解消する責任を負いますが、規制順守を徹底する責任を一手に担うわけではないからです。
規制順守の重要性についてスポンサーと話し合うだけでは、この問題に対処するには不十分です。プロジェクト・マネジャーは、このような事態を防ぐための方策を講じるべきでした。話し合いだけでは、この事例のような事態を回避することはできません。
理由
このプロジェクトはスクラムを用いたアジャイル型開発であり、PM(プロジェクト・マネジャー)は実際の作業指示や品質確認を直接管理しない立場です。
アジャイルでは、チームが自律的に品質・要件の妥当性を確認する責任を持つため、PMは必要な知識・経験を持つメンバーに、規制順守が確実に行われるよう作業を割り当てて確認を促すことが適切です。
つまり、PMが「指示的に動く」のではなく、チームの力量を活かしてリスクを事前に防止する姿勢が重要です。
経験豊富なメンバーを活用して規制要件の妥当性をチェックしていれば、国の基準を満たさない成果物が出ることは防げたでしょう。
他の選択肢が誤っている理由
- 「プロダクト・オーナーに規制順守への対応を求める」:
プロダクト・オーナー(PO)は「何を作るか」に責任を持ちますが、技術的な実装や品質の妥当性確認までは責任範囲外です。
規制への「対応方針」ならPOの範囲ですが、「具体的に基準を満たしているか」を確認するのは開発チーム側の技術的責任です。 - 「規制順守に対する責任をスクラム・マスターに一任する」:
スクラム・マスターはプロセス促進と障害除去の支援を行う立場であり、成果物の内容や技術的品質に対する責任は持ちません。
よって、責任をスクラム・マスターに委ねるのは誤りです。
ワンポイントアドバイス
PMP試験では、「アジャイルでは誰がどの責任を持つのか」を明確に理解しておくことが重要です。
- PM: チーム環境を整え、リスクを防ぐ仕組みを支援する。
- チーム: 自律的に作業・品質・規制順守を確保する。
- PO: プロダクトの方向性と優先順位を決定する。
- SM: プロセスの改善とチームの支援を行う。
今回のような「品質・規制に関する技術的な確認」は、経験豊富なチームメンバーが担うべき技術的判断領域です。
PMがそれを適切に割り当て、リスクを先回りして管理することが「アジャイル環境でのPMの成熟した動き」です。
ミニ試験15(日本語)2

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