実行フェーズで想定外のリスクが発生し、新たに設置する機器が既存の設備に干渉するという事態が起きています。PMは、この問題を避けるためにどうすべきだったでしょうか?「さまざまなリスクをプロジェクト・チームに伝える。」 「徹底的なリスク評価を実施する。」 「特定したリスクの軽減計画を立てる。」 「プロジェクト全体を通してリスク登録簿を監視・更新する。」

→徹底的なリスク評価を実施する。

発生したリスクにもよりますが、より徹底したリスク評価によってこの問題を想定して事前に回避できていたかもしれません。
 
その他の選択肢は誤りです。全員が潜在的な問題を認識し、それを軽減するための方策を講じられるようにするために、さまざまなリスクをプロジェクト・チームに伝えることは大事です。しかし、それを行っても、この事例の問題を防ぐことはできません。特定したリスクの軽減計画を立てることも大事ですが、プロジェクト・マネジャーがすべてのリスクを特定しきれていない場合には、それだけでは不十分です。プロジェクト全体を通してリスク登録簿を監視・更新するのはグッドプラクティスですが、プロジェクト・マネジャーがすべてのリスクを特定しきれていない場合や、すべてのリスクの軽減計画を立てているわけではない場合には、それだけで問題を防ぐことはできません。

理由(なぜこの選択肢が正しいのか)

この問題は「実行フェーズで想定外のリスク(設備干渉)が発生した」ケースです。
つまり、計画段階でリスクの特定・分析が十分に行われていなかったことが原因です。

PMBOKでは、リスク・マネジメントの初期段階である「リスク特定(Identify Risks)」と「定性的・定量的リスク分析(Perform Qualitative and Quantitative Risk Analysis)」のプロセスを通じて、
潜在的リスクを事前に洗い出し、影響を分析しておくことが推奨されています。

「既存設備との干渉」は、建設・設備系プロジェクトでは典型的なリスクです。
これを防ぐには、**設計段階でのリスク評価の徹底(レビュー、シミュレーション、現場調査など)**が不可欠でした。

したがって、この設問でPMが「すべきだったこと」は、
事前に徹底的なリスク評価を実施し、問題を予見・防止することです。


その他の選択肢が誤りである理由

❌ 「さまざまなリスクをプロジェクト・チームに伝える。」

リスクの情報共有は重要ですが、これはリスクを特定した後の対応行動です。
本設問では「リスクを予見できなかったこと」が問題の核心なので、
単にチームへ伝える行為ではリスク発生を未然に防ぐことはできません


❌ 「特定したリスクの軽減計画を立てる。」

軽減計画(mitigation plan)は、すでにリスクを特定・評価した後の段階の話です。
今回のケースでは、リスク自体が「想定外」であり、
特定されていないリスクに対して軽減策は立てられません。
つまり、「評価の前に計画を立てる」という順序の誤りです。


❌ 「プロジェクト全体を通してリスク登録簿を監視・更新する。」

リスク登録簿(risk register)の監視・更新は実行フェーズ以降の継続的なリスクマネジメント活動です。
このプロセスも重要ですが、問題の原因は「初期段階でリスクを見逃したこと」なので、
監視よりも初期の評価不足が根本的な課題です。


ワンポイントアドバイス

PMP試験では、
「想定外のリスクが発生した」=「リスク特定・分析が不十分だった」
と読むのが鉄則です。

PMBOKでのリスクマネジメントは以下の流れ:

  1. リスクを特定する(Identify Risks)
  2. 定性的・定量的リスク分析を行う(Perform Risk Analysis)
  3. リスク対応計画を策定する(Plan Risk Responses)
  4. 実行・監視しながら更新する(Implement / Monitor Risks)

この設問は①〜②の段階での失敗が原因なので、
**「徹底的なリスク評価(=分析)」**が正解です。


まとめ

  • 正解: 徹底的なリスク評価を実施する。
  • 理由: 設備干渉という想定外リスクは、事前分析不足が原因。
  • 誤答のポイント: 他の選択肢はすべて「リスクを特定した後」の対応であり、根本原因には対応していない。

🟩 ワンポイント:

想定外のリスク=「リスク特定・評価プロセスの漏れ」。
PMPでは「リスク分析の徹底」が最も防御力の高い答えになります。

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