アジャイル・プロジェクトを担当するプロジェクト・マネジャーは、多くのステークホルダーがイテレーション計画会議とレビュー会議を欠席していることに気づきました。一部のステークホルダーは、これらの会議の意義が分からないのであえて欠席していると認めています。こうしたステークホルダーの関与不足のためにプロジェクトが遅れる可能性があります。この問題に対処するために、PMはまず何をすべきでしょうか?「コミュニケーション・マネジメント計画書をレビューして更新する。」 「差異を特定してステークホルダーに反復型アプローチに関するメンタリングを行う。」 「イテレーション・レビューを録画してステークホルダーと共有する。」 「RACIマトリックスを作成してステークホルダー向けのトレーニング計画を立てる。」

→差異を特定してステークホルダーに反復型アプローチに関するメンタリングを行う。

ステークホルダーは、イテレーション計画会議やレビュー会議の意義が分からないと認めています。反復型アプローチや会議の重要性を理解していない可能性があるので、プロジェクト・マネジャーは、その差異を特定した上で、メンタリングで対処すべきです。スケジュール遅延の恐れがあるので、先手を打ってステークホルダーの参加を促し状況を改善します。

その他の選択肢はいずれも、長期的な解決策としては有効かもしれませんが、ステークホルダーの関与不足という目の前の問題に対処できません。

理由

このシナリオでは、PMが直面している課題は次の2つです:

  1. ステークホルダーがイテレーション会議を欠席している(=関与不足)
  2. 「アジャイルの価値や意義を理解していない」ことがその原因

つまり、問題の根本原因は 「理解不足による関与意欲の欠如」 です。

したがって、PMがまず取るべき行動は:

✅ ステークホルダーがアジャイル・プロセス(反復型アプローチ)の目的・価値を理解できるように教育・メンタリングを行うこと

これにより、ステークホルダーが「なぜ自分が会議に参加することが重要なのか」を理解し、
自発的な関与(Engagement) を促すことができます。

PMBOK第7版やアジャイル実務ガイド(Agile Practice Guide)でも、
アジャイル・プロジェクトにおけるPMの重要な役割の1つとして次が挙げられています👇

🔹 「ステークホルダーを教育・支援して、アジャイルの考え方やイベントの価値を理解してもらう」

これは、PMが“ファシリテーター”や“アジャイル・コーチ”的な役割を果たすことを意味します。


❌ 他の選択肢の誤りの理由

「コミュニケーション・マネジメント計画書をレビューして更新する。」

→ 計画書を見直すのは手続き的な対応であり、根本原因(アジャイル理解の欠如)を解消しません。
 まずは「なぜ欠席しているのか(認識ギャップ)」を解消する必要があります。


「イテレーション・レビューを録画してステークホルダーと共有する。」

→ これは対症療法的な対応です。
 「なぜ参加が重要なのか」を理解してもらうことなしに録画共有しても、関与度は改善しません。
 また、録画では“双方向コミュニケーション(コラボレーション)”が欠けるため、アジャイルの原則に反します。


「RACIマトリックスを作成してステークホルダー向けのトレーニング計画を立てる。」

→ RACIマトリックスは役割と責任の明確化ツールですが、このケースでは既にステークホルダーが明確に存在しています。
 問題は「役割の不明確さ」ではなく、「理解・意識の欠如」なので不適切です。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験では、「ステークホルダーが参加しない」「反発している」「価値を理解していない」ケースでは、
“まず教育・支援・メンタリング”が最初の一手です。

覚えておくと良い判断基準👇

状況PMが取るべき初動
ステークホルダーがアジャイルを理解していない教育・メンタリング
ステークホルダーが関与を拒否している理由を分析して、関与の価値を説明
ステークホルダーが多すぎて複雑化優先度分析と関与計画の策定
ステークホルダー間で意見が割れているファシリテーションと合意形成

✅ まとめ

  • 正答:差異を特定してステークホルダーに反復型アプローチに関するメンタリングを行う。
  • 理由:欠席の原因は「アジャイル会議の意義を理解していない」こと。根本的な対処は教育・支援。
  • 誤答理由:他の選択肢は手続き的・形式的で、原因解消(理解不足)につながらない。
  • ワンポイント
     💡 PMP試験の鉄則:「ステークホルダーが理解していない → 教える」「抵抗している → 対話する」。
     アジャイルでは“巻き込む”より先に“理解させる”が最優先。

フルレングス試験2 (日本語) 130

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