★プロジェクト・マネジャーは、新たなプロジェクトに取り組んでいます。チームは、ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)とアクティビティの順序は定義したものの、各アクティビティの所要期間の見積りに苦労しています。信頼性の高い見積りを出すために、プロジェクト・マネジャーが取るべきアプローチはどれでしょうか?「メンバー全員に各アクティビティの所要期間を見積もってもらう。」 「スケジュールの制約条件を考慮してアクティビティの見積りを行う。」 「過去の類似プロジェクトのパフォーマンスを参考にする。」 「各アクティビティの所要期間の見積りについて他のプロジェクト・マネジャーに助言を求める。」

→過去の類似プロジェクトのパフォーマンスを参考にする。

最善のアプローチは、過去の類似プロジェクトに関するPMOの記録をチェックして参考にすることです。

各担当者が自分の作業を見積もるべきで、メンバー全員が各アクティビティの見積りをしたり、他のプロジェクト・マネジャーに相談するのは妥当ではありません。また、〆切に合わせて見積りをすれば現実的ではない見積りになります。

理由

この設問は、**「信頼性の高い所要期間見積りを得るための適切な手法」**を問う典型的なPMP問題です。

PMBOKで示される見積り手法のうち、
このケースに最も適するのは 「類推見積り(Analogous Estimating)」 です。

▶ 類推見積りとは

  • 過去の類似プロジェクトの実績データをもとに、
     現プロジェクトのアクティビティ所要期間を推定する方法。
  • 組織の歴史的データ(OPA:組織のプロセス資産)を活用する。
  • データが信頼できる場合、短時間で妥当性の高い見積りを得られる。

ここでチームが「所要期間の見積りに苦労している」とあるのは、
現時点で十分な実績や確度のある根拠がないことを示しています。

したがって、まずは過去データからベースラインを得て、見積りの精度を上げるのが最も現実的かつPMBOK的に正しいアプローチです。


❌ 他の選択肢の誤りの理由

「メンバー全員に各アクティビティの所要期間を見積もってもらう。」

→ ボトムアップ見積り(Bottom-Up Estimating)に似ていますが、
 この方法は詳細な情報が揃っている場合にのみ有効です。
 この問題では「チームが見積りに苦労している」とあるため、
 データ不足の状況では主観的すぎて信頼性が低い。


「スケジュールの制約条件を考慮してアクティビティの見積りを行う。」

→ 制約条件を考慮するのは重要ですが、
 制約は見積りの「補正要素」であって、見積り手法」ではありません。
 信頼性の高い見積りを得る方法とはいえません。


「各アクティビティの所要期間の見積りについて他のプロジェクト・マネジャーに助言を求める。」

→ 他PMからの意見は参考にはなりますが、
 それは**経験に基づく主観的判断(専門家の意見:Expert Judgment)**であり、
 データに基づく信頼性の高い見積り(=客観的根拠)とは言えません。
 この問題のキーワード「信頼性の高い」に最も合うのは「過去実績データの活用」です。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験では「どの見積り手法を使うべきか?」の問題が頻出します。
以下の3つをセットで覚えておくと非常に役立ちます👇

手法概要精度使用タイミング
類推見積り(Analogous)過去の類似プロジェクトのデータを参考にする中程度初期段階・データ不足時
パラメトリック見積り(Parametric)単位あたりの標準時間・コストを乗算高いデータが豊富でパターン化できる場合
ボトムアップ見積り(Bottom-Up)各作業パッケージを積み上げて見積り非常に高い詳細なWBSと情報が揃っている場合

✅ まとめ

  • 正答:過去の類似プロジェクトのパフォーマンスを参考にする。
  • 理由:データ不足で見積りに苦労している状況では、過去実績に基づく「類推見積り」が最も信頼性が高い。
  • 誤答理由:他の選択肢は情報不足時の精度が低い、または見積り手法ではない。
  • ワンポイント
     💡「見積りに迷ったら、まず過去の実績データを探せ」。
     信頼性を高めるには“経験”より“エビデンス”。

フルレングス試験2 (日本語) 71

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