→問題とその影響の管理の必要に応じて、顧客やステークホルダーとのコミュニケーションを増やす。
コストやスケジュールに影響を及ぼす問題は、放置せずに見つけ次第報告すべきです。プロジェクト・マネジャーは、しかるべき関係者が早期に状況を把握して問題に対処できるようにします。この事例のように緊急性の高い問題の場合はなおさらです。
その他の選択肢は誤りです。
コミュニケーションの問題を課題ログに記録しても顧客は状況を把握できません。
緊急での問題解決が必要な状況なので、月次の報告では間に合いません。問題を適時に解決できるように、顧客やステークホルダーへの報告はなるべく早く行うべきです。
同様にコミュニケーション・マネジメント計画書を修正して承認を待っている暇はありません。また、計画書を修正しなくても、問題が解決すれば月次報告に戻せるでしょう。
理由
① コミュニケーション計画は“固定”ではなく“動的に見直す”もの
PMBOK第7版やPMIの標準では、コミュニケーション・マネジメント計画は状況に応じて更新・調整する文書とされています。
特に「想定外の問題が多発し、スケジュールやコストに影響が出ている」ときは、
リスクや課題の状況をステークホルダーがタイムリーに把握できるよう、
報告頻度を増やす・臨時会議を設ける・即時共有するなどの対応が求められます。
つまり、計画書は「基準」であり、「制限」ではありません。
現状が変化した場合は、コミュニケーション戦略を柔軟に調整するのがPMの責任です。
② 目的は「ステークホルダーの情報ニーズを満たすこと」
PMPで重視される考え方は、「計画通りに報告すること」ではなく、
「ステークホルダーが適切な判断を下せるように、必要な情報を適時に提供すること」です。
スケジュールや予算に影響が出るほどの問題が発生しているなら、
月次報告では情報提供が遅すぎる状態です。
PMは、ステークホルダーの意思決定を支援するために、
追加の報告・臨時会議・進捗共有を実施すべきです。
③ 計画に従うことよりも、プロジェクトの成功を優先する
PMの役割は「計画を守ること」ではなく、「プロジェクトを成功させること」。
そのためには、変化に合わせてプロセスを最適化する柔軟性が求められます。
特にハイリスク・高影響の問題が発生した場合、
「臨機応変にコミュニケーション頻度を増やす」ことがプロフェッショナルな対応です。
❌ 誤答の理由
「コミュニケーション・マネジメント計画書通りに、顧客と社内ステークホルダー向けに月次の報告を続ける。」
→ 一見「計画遵守」で正しく見えますが、
この選択肢は**“計画を守ることが目的化している”**のが問題です。
現実に問題が多発している中で月次報告しか行わないのは、
ステークホルダーの情報ニーズを満たせず、意思決定を遅らせるリスクがあります。
PMPの原則では、「計画は環境変化に合わせて更新すべきもの」であり、
PMはその変更を提案・実施する責任を負います。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験では、「計画 vs 柔軟性」の判断を問う問題が頻出します。
基本ルールは次の通りです。
- 環境が安定している → 計画に従う
- 環境が変化した → 計画を見直して適応する
また、PMBOK第7版の原則の1つにある
「システム思考(System Thinking)」および
「状況に応じた適応(Tailoring)」
も、この問題の正解を裏付けています。
✅ まとめ
- 正解:問題とその影響の管理の必要に応じて、顧客やステークホルダーとのコミュニケーションを増やす。
- 理由:コミュニケーション計画は固定ではなく、状況に応じて更新・適応するもの。
- 誤答理由:計画書に固執して情報提供を遅らせると、ステークホルダーの判断が遅れ、問題が拡大する。
- アドバイス:「計画は守るものではなく、進化させるもの」と意識すると、PMP試験でも実務でも強くなれる。
フルレングス試験2 (日本語) 10

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