これまでウォーターフォールの方法論を採用していたソフトウェア関連の大企業がアジャイルまたはハイブリッド型の方法論へ移行しようとしており、アジャイル・コーチが助言をしています。PMとしては、どのような提案をすべきでしょうか?「アジャイルの導入には時間がかかるが、アジャイルを先に導入してからハイブリッド型へ移行すべきである。」 「ウォーターフォールの知識を転用できるハイブリッド型の方法論を先に導入すべきである。」 「ハイブリッド型はアジャイルよりもソフトウェア関連企業に適した方法論なので、ハイブリッド型を先に導入すべきである。」

→アジャイルの導入には時間がかかるが、アジャイルを先に導入してからハイブリッド型へ移行すべきである。

ウォーターフォールからアジャイルまたはハイブリッド型の方法論へ移行するには、プラクティス、マインドセット、組織文化の変革が必要です。アジャイルから導入することで、組織は反復・協働型のアプローチのメリットを経験し、フィードバックから学び、継続的に改善ができます。これは、組織が徐々に変化に適応できる段階的なアプローチです。

その他の選択肢は誤りです。アジャイルまたはハイブリッド型の方法論を検討せずにウォーターフォールを利用し続ける組織は、適応力や柔軟性に優れたアプローチのメリットを享受できず、市場の変化に対応できなくなる可能性があります。ウォーターフォールからハイブリッド型の方法論に転用できる知識があるかもしれませんが、アジャイルまたはハイブリッド型へ移行するには、新たなプラクティスや役割、働き方を学習しなければならないことを認識する必要があります。ウォーターフォールの知識だけでは、アジャイルやハイブリッド型のアプローチにおける課題や機会に組織が対応できない可能性があります。ハイブリッド型の方法論がすべてのソフトウェア企業に適していると断言するのは拙速です。方法論の選択は、プロジェクトの特徴、組織文化、チームの能力、顧客の要求事項などのさまざまな要因に基づいて行うべきです。

理由

① 「アジャイル思考(マインドセット)」が先に必要

PMI(特にアジャイル実践ガイド)では、アジャイルは単なる方法論ではなく、価値観と原則の集合だと定義しています。
そのため、ハイブリッド型を正しく機能させるには、まず組織とチームに**アジャイルの価値観(柔軟性・協働・顧客重視・継続的改善)**を根付かせる必要があります。

ハイブリッド型は「ウォーターフォール+アジャイル」ではなく、
アジャイル思考を中核に、必要な統制要素を残す」形です。
したがって、アジャイルを先に導入して文化を育てることが必須となります。


② 「ハイブリッド型」はアジャイルを理解したうえで成立する

ハイブリッド型を有効に運用するには、

  • どの部分を反復的に進め、
  • どの部分を計画駆動で進めるか
    を自律的に判断できることが前提です。

これはアジャイルの価値観と実践を理解していなければ判断できません。
つまり、ハイブリッドはアジャイルの発展形であり、先にアジャイルを実践してからでないとハイブリッドを機能させられないという理屈になります。


③ 「時間がかかる」という文言は“変革プロセスのリアリティ”を反映

アジャイルの導入には文化・構造・人材の面で時間がかかることを前提に、
それでも最初にアジャイルを導入して基礎を築くべきだとしています。
これは「組織変革には時間がかかるが、順番を誤ると定着しない」という現実的な考え方です。


❌ 他の選択肢が誤りである理由

「ウォーターフォールの知識を転用できるハイブリッド型の方法論を先に導入すべきである」

一見現実的ですが、これは**プロセスだけを混ぜた“擬似ハイブリッド”**になりがちです。
アジャイル思考が根付いていない状態でハイブリッドを導入すると、
結局ウォーターフォール寄りの統制型になり、「名ばかりハイブリッド」になるリスクが高いです。

「ハイブリッド型はアジャイルよりもソフトウェア関連企業に適した方法論なので、ハイブリッド型を先に導入すべきである」

根拠が誤り。
ソフトウェア業界ではアジャイル自体が標準化されており、
「業界に適している」という理由でハイブリッドを推すのはPMPの原則と逆です。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験で「アジャイル」「ハイブリッド」「ウォーターフォール」が並ぶ問題では、
以下の順序を意識すると正解を導きやすくなります。

  1. アジャイル思考を育てる(文化・価値観)
  2. ハイブリッドでプロセス統合(柔軟+統制)
  3. ウォーターフォール要素を必要に応じて残す(規制・契約対応)

つまり「マインドセット → メソドロジー → 運用最適化」の順です。


✅ まとめ

  • 正解:アジャイルを先に導入し、その後ハイブリッドへ移行
  • 理由:ハイブリッドはアジャイル思考を前提に成立するため、
     まずアジャイル文化を組織に根付かせる必要がある。
  • 誤答理由:ハイブリッドから始めると文化的抵抗を回避できても、アジャイルが本質的に定着しない。
  • アドバイス:PMPでは「まず人と文化を変える→次にプロセスを調整する」という順序を意識。

フルレングス試験1 (日本語) 165

コメント

タイトルとURLをコピーしました