予測型アプローチを利用している組織がアジャイル型アプローチへの移行を決めました。この組織は、より多くの価値を顧客に提供できると見込んで、すべてのプロジェクトでアジャイル型アプローチを採用することを決定しています。価値実現を確かなものにするために、プロジェクト・マネジャーは何をすべきでしょうか?「各スプリントの終了時にベネフィット・マネジメント計画書を評価する。」「ベネフィット・マネジメント計画書とプロダクト・バックログを整合させる。」

→ベネフィット・マネジメント計画書とプロダクト・バックログを整合させる。

ベネフィット・マネジメント計画書とプロダクト・バックログを整合させることで組織のゴールに沿った価値の高いフィーチャーと目標に基づいてプロジェクトが運営できます。ベネフィット・マネジメント計画書にプロジェクトで実現したい価値を書き、それに基づきプロダクト・バックログを優先順位付けします。これによりチームは価値の高いフィーチャーから順にデリバリーすることになり各スプリントでベネフィットの実現に寄与できます。

その他の選択肢は誤りです。

スタンドアップ・ミーティングでの評価だけではベネフィットの実現を保証できません。

スプリント終了時の評価では遅すぎます。

スクラム・マスターに報告させるのも誤りです。スクラム・マスターの責任はスクラム・プロセスを促進することであり、ベネフィットの実現はプロジェクト・マネジャーの責任です。

理由(なぜこれが正しいのか)

この問題の本質は、アジャイル型アプローチへの移行において「価値(Value)」を確実に実現するには何をすべきか? という点にあります。
アジャイルでは「価値提供(value delivery)」が最優先であり、その実現のためにプロジェクトマネジャーは
戦略的なベネフィット(成果・目的)と実際のプロダクト開発項目を結びつける必要があります。

そのために最も有効なのが:

「ベネフィット・マネジメント計画書」と「プロダクト・バックログ」の整合性を取ること。

です。


✅ PMP/PMBOKの観点

  • ベネフィット・マネジメント計画書(Benefits Management Plan)
    プロジェクトが組織や顧客にもたらす価値・成果を定義し、測定し、追跡するための文書。
    → “Why are we doing this project?” に答える。
  • プロダクト・バックログ(Product Backlog)
    顧客に価値を届けるために開発すべき項目の一覧。
    → “What do we need to build to achieve that value?” に答える。

この2つが一貫していなければ、アジャイルを形式的に導入しても
「顧客にとって本当に価値ある成果」にはつながりません。

したがって、PMはまず両者を整合させ、

  • プロダクトバックログの優先順位が組織のベネフィット戦略と一致しているか
  • 各バックログ項目がどのベネフィット実現に貢献しているか
    を確認・調整する必要があります。

❌ 「各スプリントの終了時にベネフィット・マネジメント計画書を評価する」が不適切な理由

  • 各スプリント終了時にベネフィット計画書を評価するのは実行後の確認的活動であり、
    「価値を確実に届けるための事前の仕組みづくり」ではありません。
  • スプリントのたびに計画書を見直すのは非効率であり、アジャイルの柔軟性を損なうリスクもあります。
  • 根本的な「価値の紐づけ」がなければ、スプリントごとの振り返りだけでは本来の価値実現を保証できません。

💡 ワンポイントアドバイス(試験対策)

PMP試験で「価値を確実に提供するには?」と問われたら、

  1. 価値の源泉(ベネフィット計画書)と成果物(バックログ)のリンク
  2. 優先順位付け・透明性・定期的なレビューによる調整
    の2つを思い出すのがポイントです。

✅ まとめ

予測型からアジャイル型へ移行する際に最も重要なのは、
戦略的な価値(ベネフィット)と開発タスク(バックログ)を一貫させること。

よって、PMは 「ベネフィット・マネジメント計画書とプロダクト・バックログを整合させる」
ことで、アジャイル導入後も確実にビジネス価値を実現できるようにするのが最も正しい対応です。

フルレングス試験1 (日本語) 106

コメント

タイトルとURLをコピーしました