★プロジェクト・マネジャーは、自社でもプロジェクト・マネジャーを擁する顧客の複雑なプロジェクトを担当しています。顧客のプロジェクト・マネジャーはこのプロジェクトの意思決定者ですが財務権限はなく、予算に関する決定は都度上司の承認を得る必要があります。そのせいで、プロジェクトの資源マネジメント、コスト、所要期間に多大な影響が及んでいます。PMは、この問題をどうすれば解決できるでしょうか?「この問題について顧客のプロジェクト・マネジャーと話し合う。」「この問題をプロジェクト・ステアリング・コミィティにエスカレーションする。」

→この問題をプロジェクト・ステアリング・コミィティにエスカレーションする。

ステアリング・コミィティは、上位ステークホルダーや専門家から構成される諮問機関です。予算、新たな取り組み、社内ポリシー、マーケティング戦略、プロジェクトマネジメントに関する懸念や問題といった、企業やプロジェクトの多様な課題について提言を行います。意思決定権限に関する問題に対応できるのはステアリング・コミィティだけです。この問題は、プロジェクト・チームが自力で解決できないので、エスカレーションするのが妥当でしょう。

教訓報告書に記録しても問題は解決しません。四半期ごとの会議で議論しても問題の先送りにしかなりません。顧客のプロジェクト・マネジャーと問題に取り組んでも財務権限がないので対処できません。エスカレーションする必要があります。

理由

このケースの本質は、プロジェクト・ガバナンスの階層構造意思決定権限の制約です。
顧客側のプロジェクト・マネジャー(Customer PM)は意思決定者のように見えますが、実際には「財務権限を持っていない」ため、
コストやリソースに関する重要な判断が遅れ、プロジェクトに悪影響が出ています。

PMがこの状況を放置すると、**スケジュール・コスト・品質の三重制約(Triple Constraint)**が継続的に悪化します。

このような場合、PMが顧客PMと話し合っても、相手に権限がないため根本的な解決には至らないのがポイントです。
したがって、PMは正式なガバナンス経路に従い、ステアリング・コミッティ(Steering Committee)やスポンサー層にエスカレーションして意思決定を促す必要があります。

ステアリング・コミッティは、

  • プロジェクトの戦略的方向性を統括し、
  • 複数組織間の利害調整を行い、
  • 権限の衝突や不均衡を是正できる唯一の場
    です。

③ 他の選択肢が誤りである理由

  • この問題について顧客のプロジェクト・マネジャーと話し合う。
    一見「協調的な対応」に見えますが、今回の問題はすでに顧客PMの権限を超えている構造的問題です。
    そのため、話し合いをしても「上司に確認します」で終わる可能性が高く、根本的解決になりません。
    PMP試験では「権限のない人と話し合っても問題は解決しない」と判断されるパターンです。

④ ワンポイントアドバイス

PMP試験での鉄則:

  • 権限の範囲を超える問題 → 上位ガバナンス層(スポンサーやステアリング・コミッティ)へエスカレーション
  • 誤解・対立・認識のズレ → 関係者同士で話し合い

この問題は明らかに前者(構造・権限の問題)です。


まとめ

  • 正解:この問題をプロジェクト・ステアリング・コミッティにエスカレーションする。
  • 理由:顧客PMに財務権限がなく、話し合いでは解決できない組織的問題だから。
  • 補足:エスカレーション後、意思決定経路や承認プロセスの明確化を依頼するのが次のステップ。

ポイント:権限がない人との対話では解決できない問題は、“上に上げる”が正解。

フルレングス試験2 (日本語) 163

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