プロジェクト・マネジャーは、新たなプロジェクトのチームを結成したところですが、どのメンバーとも仕事をしたことがありません。メンバーの大半も互いに面識はなく、違う国を拠点とするメンバーもいます。チームの連携を支援するために、プロジェクト・マネジャーが取るべき行動はどれでしょうか?「文化の違いと対立の可能性を特定して低減策を打つ。」「ベテラン・メンバーに経験の浅いメンバーへのメンタリングをしてもらう。」

A. 文化の違いと対立の可能性を特定して低減策を打つ。

理由

この問題の焦点は、**「初めて集まる国際的・分散型チームの立ち上げ期(Forming段階)」**にあります。

このような状況では、チームの結束や信頼がまだ形成されておらず、
最初にすべきことは「協働を妨げる潜在的な障害(特に文化差・価値観・コミュニケーションスタイル)」を把握し、
予防的にリスクマネジメントを行うことです。

PMはこの初期段階で、次のような取り組みを行うのがベストプラクティスです:

  • 各メンバーの文化的背景、価値観、作業スタイルの違いを理解する
  • 時差・言語・意思決定プロセスの違いを洗い出す
  • 誤解や対立が起きそうな場面を想定し、チーム憲章(Team Charter)や行動規範を作る

これにより、チームが心理的安全性を持って協働できる土台を築けます。

PMBOK第7版やアジャイル実務ガイドでも、**「多文化チームの初期段階では、文化的知識とリスク対応が成功の鍵」**とされています。


❌ 他の選択肢の誤りの理由

「ベテラン・メンバーに経験の浅いメンバーへのメンタリングをしてもらう。」

→ メンタリングは確かにチーム育成の有効な手段ですが、
 それはチームがある程度「信頼と安定性(Norming段階以降)」を得た後の施策です。

この問題では「まだ互いに面識がない」「異文化」「新チームの立ち上げ」という初期状態のため、
いきなり個別メンタリングを設定しても、信頼基盤がなく効果が限定的です。
むしろ、まずは全体的なチームの相互理解と文化的リスク低減が優先されます。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験で「初期チーム」「国際チーム」「異文化」「分散」というキーワードが出たら、
次の原則を思い出すと正答を導きやすいです👇

  1. 最初の目的は「チームの理解と信頼関係構築」
     → メンバー育成や成果改善よりも、「摩擦を防ぐ環境づくり」を優先する。
  2. リスク思考でアプローチする
     → 文化・コミュニケーション・タイムゾーンをリスク要因として洗い出す。
  3. チーム憲章(Team Charter)や行動規範の整備が初期の主要タスク
     → チーム文化を設計し、メンバー間のルールを合意しておくことで、後の衝突を予防できる。

✅ まとめ

  • 正答:文化の違いと対立の可能性を特定して低減策を打つ。
  • 理由:新しい国際チームの立ち上げでは、まず異文化リスクを理解・管理してチームの心理的安全性と協働基盤を作る必要がある。
  • 誤答理由:メンタリングは信頼関係が形成された後の育成施策であり、初期フェーズでは優先度が低い。
  • ワンポイント:新チーム立ち上げの初動は「育てる前に守る」。文化・信頼・行動規範の確立が第一歩。

フルレングス試験2 (日本語) 53

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