修繕作業中に破損の原因は建設時の過失であることが判明しました。建設を担当した業者が修繕作業をしていたので、CEOはこの業者に値下げ交渉するよう望んでいます。PMはどうすべきでしょうか?「修繕作業をキャンセルして過去の作業の賠償金を支払うよう業者と交渉する。」 「リスクを折半する形で修繕作業費について業者と交渉する。」 「過去の作業は完了しているので業者に責任を問わず修繕作業を続行させる。」 「過去の作業の管理費用を差し引いた額で業者に修繕作業を続行させる。」

→リスクを折半する形で修繕作業費について業者と交渉する。

過去のプロジェクトは別契約なので業者と相談する必要があります。

その他の選択肢は、どちらかが不利益を被り無効または不適切です。

理由

① 問題の本質:契約関係の維持と現実的なリスク対応

このケースでは、修繕中の業者が過去に施工した当事者でもあり、過失があった可能性があるという状況です。
しかし、建設契約はすでに完了しており、いま行っているのは別の修繕契約です。

ここで重要なのは、

  • 「過去の責任を追及する」よりも、
  • 「現状の修繕作業を円滑に完了させること」

がプロジェクトマネジャーの最優先課題である、という点です。

つまり、責任の所在を明確にしつつも、建設的な交渉によって現行契約を維持・調整する必要があります。

そのため、**「修繕費用をリスクを折半する形で交渉」**するのが最も現実的で、倫理的にも適切です。


② PMP的観点:契約の種類・倫理・ステークホルダー対応

  • 契約マネジメントの原則では、
    → 契約に明記されていない事項(=過去の過失など)については、双方の合意に基づく交渉(negotiation)で対応する
  • またPMI倫理規範(PMI Code of Ethics)では、
    → 「公平性(Fairness)」と「誠実さ(Honesty)」が求められます。
    一方的に過去の責任を押し付けたり、CEOの圧力に従って値下げを強要するのは不誠実な行為です。

したがって、PMとしては**双方の立場を尊重した中間的解決(リスクシェアリング)**を提案するのが最善です。


❌ 他の選択肢が誤りである理由

「修繕作業をキャンセルして過去の作業の賠償金を支払うよう業者と交渉する。」

→ 一方的な責任追及であり、契約上の根拠がない限り不適切です。
また、現在の修繕作業を止めるとプロジェクト遅延・追加コスト・法的リスクが発生します。


「過去の作業は完了しているので業者に責任を問わず修繕作業を続行させる。」

→ 一見“穏便”に見えますが、PMの交渉責任を放棄している行為です。
顧客(CEO)の要請を無視しており、ステークホルダー・エンゲージメントの欠如になります。


「過去の作業の管理費用を差し引いた額で業者に修繕作業を続行させる。」

→ これは一方的な金額変更であり、契約上の合意なく費用を差し引くのは**不当行為(契約違反)**です。
PMI倫理規範にも反し、法的トラブルの原因になります。


💡 ワンポイントアドバイス

PMP試験では、「PMは感情や圧力ではなく、公平性とプロジェクト成功を軸に判断する」という姿勢が常に問われます。

覚えておきたい原則:

  1. 法的責任は契約に基づく。 感情的・政治的判断はNG。
  2. 問題が発生したら、まず交渉(negotiation)で解決策を模索する。
  3. 双方にとって公正な解決(win-win)を追求する。

この考え方は、PMBOK第7版の「システム思考(Systems Thinking)」および「ステークホルダー・パフォーマンス・ドメイン」にも通じます。


✅ まとめ

  • 正解:リスクを折半する形で修繕作業費について業者と交渉する。
  • 理由:契約上および倫理的に、双方の合意による公正な調整が最も適切。
  • 誤答理由:他の選択肢はいずれも一方的で、契約違反・倫理違反の恐れがある。
  • アドバイス:PMは「問題を裁く人」ではなく、「公平な解決を導く人」。感情よりも契約・倫理・現実を基準に判断。

フルレングス試験2 (日本語) 14

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