→コストへの影響を最小限に抑えるためにサプライヤーと相談して新たな価格を決める。
Dがこの問題の解決案として最も現実的で妥当です。このサプライヤーとは良好な関係を保ち、最後の2つのコンポーネントの納入責任を果たしてもらうべきです。
その他の選択肢は、妥当または有効ではないので誤りです。訴訟は、関係悪化とプロジェクトのさらなる遅延につながるので、最後の手段とすべきです。代替サプライヤーを探すのは多くの時間とコストがかかり、見つかったとしても期日と仕様を守って納入できる保証もありません。リスク対応計画の実行は対応策としては妥当ですが最初に行うべきことではありません。まずは先方と直接相談してみるべきです。
理由
このケースでは、サプライヤーが契約条件を一方的に変更しようとしている、つまり「契約上のトラブル」が発生しています。
すでに「最後の2つのコンポーネントの納入直前」というプロジェクト後半・実行フェーズの終盤で起きている点がポイントです。
この段階では:
- 納期が迫っている
- 代替サプライヤーへの切替は現実的でない
- プロジェクト全体への影響(遅延・コスト増)を最小限にする必要がある
したがって、PMは即座に交渉(ネゴシエーション)に入り、プロジェクト損失を最小化する行動を取るのが正解です。
🔍 PMBOKの観点
PMBOK第6版・第7版では、「調達マネジメントのコントロール(Control Procurements)」プロセスにおいて以下が明記されています:
「調達上の問題が発生した場合、プロジェクト・マネジャーは買い手としてサプライヤーと交渉を行い、
契約上の義務・コスト・スケジュールへの影響を最小限に抑える責任を負う。」
この行動は、紛争(claim)や契約変更(contract modification)への実務的な対応です。
特に「交渉による合意形成(Negotiation)」は、コントロール・プロセスで最も頻繁に使われるツール・技法の一つです。
❌ 「リスク対応計画を実行する」が不適切な理由
確かにこの状況はリスクのようにも見えますが、すでに「契約上の問題として現実化」しています。
したがって、リスク管理よりも契約管理・交渉の領域になります。
また、リスク対応計画は通常、リスクが発生する前の備え(潜在的脅威への準備)であり、
このように「契約当事者の行為が問題化した後」では調達マネジメントの対応が優先されます。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験では「どの知識エリアが主導する状況か」を見極めるのがポイントです。
| 状況 | 主導プロセス |
|---|---|
| リスクがまだ発生していない | リスクマネジメント(Plan/Monitor Risks) |
| 契約上の問題・価格・納入など | 調達マネジメント(Control Procurements) |
| 技術的不具合・品質不適合 | 品質マネジメント(Control Quality) |
この問題は明らかに調達マネジメント(Procurement)領域なので、
「交渉してコスト影響を最小化する」対応が最も現実的かつ正解となります。
✅ まとめ
サプライヤーが納入前に価格変更を要求するという契約上の問題が発生した場合、
PMはまずサプライヤーと交渉し、コスト影響を最小限に抑えることに集中する。これは「調達マネジメントのコントロール」プロセスにおける交渉・契約調整対応であり、
リスク計画よりも即応性と現実的解決を重視する判断です。
フルレングス試験1 (日本語) 86

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