→ワーク・ブレークダウン・ストラクチャー(WBS)
WBSは、プロジェクトで行う作業を階層的に分解したもので、これに基づきプロジェクト完了に必要な作業工数を見積ります。プロジェクト・マネジャーは、大きな作業をタスクに分解することで各タスクの完了に必要な時間と資源を的確に把握できます。この情報に基づきプロジェクト全体の所要期間を見積もることができます。
その他の選択肢は誤りです。プロダクト・ロードマップは製品開発の概要計画であり、各リリースの完了に必要な期間はロードマップからは得られません。資源カレンダーは、人員や機器のような資源の可用性(空き状況)を示すものであり、リリース完了に必要なタスクや各タスク完了に必要な期間は得られません。バーンダウン・チャートは、プロジェクトの進捗(進み具合)を追跡するためのもので、プロジェクト中の残作業量は確認できますが、プロジェクトの所要期間を見積もることはできません。
理由(WBS)
この問題では「アジャイル・チーム」と書かれていますが、
「PMがリリース計画を立てている」という表現に注目する必要があります。
PMP試験では、プロジェクト・マネジャーが「リリース計画」や「所要期間の見積り」を行う文脈では、
作業内容の構造化と見積り基盤としてのWBSの使用が重視されます。
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトを階層的に分解し、
「どんな作業をどこまで行うのか」を明確にするツールです。
PMは、次のようなステップでリリース期間を見積もります:
- プロダクト・バックログの項目をWBS化(作業単位へ分解)
- 各作業パッケージごとに工数や期間を見積もる
- 依存関係を整理して全体の所要期間を算出する
したがって、チームがどんなにアジャイル的に作業していても、
PMが「リリース計画(期間見積り)」という管理的活動を行うときにはWBSが正解になります。
❌ 他の選択肢が誤っている理由
- バーンダウン・チャート
→ 実際の進捗を追跡するツールです。
「計画を立てる」段階ではまだ使いません。
すでに作業が進行しているスプリントで使用するものです。 - プロダクト・ロードマップ
→ 長期的な製品の方向性を示すもので、リリースごとの具体的な期間算出には不向きです。 - 資源カレンダー
→ チームメンバーの稼働可能日を把握するためのツールですが、
作業構造やリリース範囲を特定するツールではありません。
💡 ワンポイントアドバイス
PMP試験の「アジャイル系問題」で混乱しやすいのは、
“アジャイルの現場用語”と“PMBOK的管理用語”を混ぜて出題してくるケースです。
判断基準はこう整理できます:
| 文脈 | 選ぶべきアプローチ |
|---|---|
| チームが自律的に進捗を追う場面 | バーンダウン・チャート |
| PMが上位レベルで期間・範囲を見積もる場面 | WBS |
| プロジェクト全体の方向性・リリース構成 | プロダクト・ロードマップ |
✅ まとめ:
この問題は「チームの進捗追跡」ではなく「PMによるリリース計画策定」なので、
作業を構造化し、期間を見積もるためのWBSが最適なツールとなります。アジャイル文脈でも、上位レベルの計画段階ではWBSの考え方を応用するのがPMBOK的正解です。
フルレングス試験1 (日本語)53

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